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一般的に法人向けパソコンと個人向けパソコンの価格を比較すると、法人向けパソコンの方が高価になっています。
できることは同じに見えますが、何が違うのでしょうか?
ビジネスに必要不可欠な存在となっているパソコンですが、そもそもビジネス用途に特化した法人向けパソコンと一般ユーザーを対象とした個人向けパソコンがあることをご存知でしょうか。見た目は全く同じなのに、実際にパソコンを立ち上げてみるとビジネスモデル独自の機能やアプリケーションなどが搭載されているモデルも存在します。
また、一般ユーザーを前提に作られた個人向けモデルは、本人または家族のみに利用が限定されることがほとんどですが、ビジネス用の場合は同じ部署で共有するケースも考えられます。
このように、ビジネス用のパソコンには独自の機能や仕事に特化したシステムが組み込まれていることが多く、一般の個人向けモデルとは異なるものであるということが分かります。
パソコンの性能はCPU、メモリ、ストレージ(HDD、SSD)の性能で決まります。デスクで作業している人間に例えると、「CPU=作業者の頭脳」、「メモリ=デスクの広さ」、「ストレージ=引き出しの数」と言われています。
この中でも特に重要なパーツは「CPU=作業者の頭脳」です。個人向けパソコンではインテル社とAMD社のCPUが使用されたパソコンが販売されていますが、法人向けパソコンはインテル社のCPUが中心に使用されています。
AMD社のCPUはグラフィック性能が高く、価格が安いので、個人向けパソコンでは人気が上がっていますが、ビジネス用アプリケーションでの安定性はインテル社のCPUの方が上ですので、法人向けパソコンはインテル社のCPUが中心になっています。
インテル社のCPUは性能によって種類が分かれています。一番性能が低いのは「Atomシリーズ」で、高いのは「Xeonシリーズ」になりますが、中心になるのは「Celeronシリーズ」、「Pentiumシリーズ」、「Core iシリーズ」です。
法人向けパソコンでは「Core iシリーズ」がほとんどです。CADのようにマシンパワーが必要で、業務用グラフィック作業を行う場合、「Xeonシリーズ」が使用されたワークステーションを使用します。
大は小を兼ねるで、やみくもにハイスペックのパソコンを求めると高額な出費になりますので、用途に合わせた推奨スペックを下記に記載しました。
パソコンの用途別推奨スペック
<事務作業用パソコン>
<動画編集用パソコン>
<CAD用ワークステーション>
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
---|---|
CPU | インテル® Core i5以上 |
メモリ | 8GB以上 |
グラフィックス | 指定なし |
ストレージ | HDD、SSD |
OS | Windows 10 Pro (64bit) |
---|---|
CPU | インテル® Core i7以上 |
メモリ | 16GB以上 |
グラフィックス | 4GB以上 |
ストレージ | SSD |
OS | Windows 10 Pro for Workstations(64bit) |
---|---|
CPU | インテル® Xeon |
メモリ | 32GB以上 |
グラフィックス | NVIDIA Quadro |
ストレージ | SSD |
インテル社のCPUには、一部を除いてグラフィック機能が備わっていますので、別途グラフィックボードは必要ありません。ただし、特殊なグラフィック系アプリケーションを利用する場合、グラフィックボードが必要になります。
個人でのグラフィック用途は動画編集かゲームアプリケーションがほとんどですので、Microsoft DirectX (Direct3D) に最適化されたNVIDIA社の「GeForceシリーズ」かAMD社の「Radeonシリーズ」を使用することになります。
ビジネス用途のCADやプロダクション3DCGのモデリング、医療イメージングなどはMicrosoft DirectX (Direct3D) ではなく、OpenGLに最適化されている必要がありますので、NVIDIA社の「Quadroシリーズ」を使用することになります。
Windows 10には、個人用・家庭用の「Home」、企業用・ビジネス用の「Pro」という2種類が、一般に購入できるエディションとなっています。
企業用・ビジネス用の「Pro」エディションは「Home」エディションのすべての機能が含まれており、さらにセキュリティを強化した内容になっています。
Windows 10のエディションの違い
機能 | 概要 | Home | Pro |
---|---|---|---|
Windows Hello | 顔認証・指紋・PINを利用してロックを解除 | 〇 | 〇 |
デバイスの暗号化 | 特定のユーザーだけがサインインやファイル利用ができるように暗号化 | 〇 | 〇 |
ファイアウォールとネットワークの保護 | ネットワーク外からの攻撃からシステムを保護する | 〇 | 〇 |
インターネットの保護 | Windows Defender SmartScreenで、危険なアプリ・ファイル・ ホームページなどからシステムを守る | 〇 | 〇 |
保護者による制限/保護 | 成人向けコンテンツなどから青少年を守る | 〇 | 〇 |
セキュアブート | システムの起動中に悪意のあるアプリなどが組み込まれるのを防ぐ | 〇 | 〇 |
Bitlockerドライブの暗号化 | ストレージ単体が紛失・盗難にあっても、内部のデータを読み取れない ようにする | × | 〇 |
Windows情報保護(WIP) | 偶発的なデータ漏洩から企業のアプリやデータを守る | × | 〇 |
Windows Defenderウイルス対策 | ウイルスからシステムを守る | 〇 | 〇 |
ISO/VHDのマウント | 仮想ディスクイメージファイルを、ドライブとして読み込む | 〇 | 〇 |
VHDブート | 仮想ディスク・ドライブからシステムを起動する | × | 〇 |
リモートデスクトップ(クライアント) | ネットワーク経由でパソコンを操作する(クライアント側) | 〇 | 〇 |
リモートデスクトップ(ホスト) | ネットワーク経由でパソコンを操作する(ホスト側) | × | 〇 |
Hyper-V | 仮想マシンを利用して独立したシステムを構築する | × | 〇 |
Windowsドメイン参加 | Windowsでネットワークを管理する「ドメイン」に参加し、アカウントや 設定を共通利用できる | × | 〇 |
グループポリシー管理 | システムやユーザーの設定を一元管理できる | × | 〇 |
Windows Update自動更新の 変更・無効化 | Windows Updateの自動更新を停止し、適用タイミングを手動設定する | × | 〇 |
ビジネス向けMicrosoft Store | アプリの取得を企業が集中管理できるストア | × | 〇 |
Azure Active Directory | 企業ネットワーク上のアプリやクラウドアプリへのサインインとアクセスを 支援する | × | 〇 |
割り当てられたアクセス | アプリへのアクセス権をユーザーごとに設定する(キオスクモード) | × | 〇 |
動的プロビジョニング | システムのセットアップ時に、ユーザーに応じたシステム設定を適用できる | × | 〇 |
パソコンの法人向けモデルと個人向けモデルでは、ハード構成やOSのエディションが異なっています。会社で複数台使用するような環境の場合、WindowsのPro版がインストールされた法人向けモデルが最適です。